sleep Jerusalem(1999)

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sleep (1990-1998,2009-)

スリープ

Doom Metal,Stoner Rock,Sludge
ドゥームメタル,ストーナーロック,スラッジ

Jerusalem (1999)

1-1. Jerusalem (Pt. 1) 9:26
1-2. Jerusalem (Pt. 2) 8:26
1-3. Jerusalem (Pt. 3) 9:01
1-4. Jerusalem (Pt. 4) 10:28
1-5. Jerusalem (Pt. 5) 5:45
1-6. Jerusalem (Pt. 6) 9:01 [total,52:11]

Rise Above Records

Al Cisneros(B.Vo:OM,shrinbuilder)
Matt Pike(G.Vo:High On Fire)
Chris Hakius(Dr:OM,The Sabians)

ストーナー教典
1曲52:11
製作期間4年

[Sleep’s Holy Mountain(1993)]の
プロモーションで
Cathedralとのヨーロッパツアー
Hawkwindとのアメリカでツアーを行っていた最中
バンドは新曲を作り始める
この曲は
ライブ前のリハーサル、ホテルの部屋や
友人宅で練習とアレンジが行われ
“Dopesmoker“と呼ばれた
曲自体は未完成のまま
ライブで演奏されていた

ツアー終了後
カリフォルニア州コンプチェの
レコード・ツー・スタジオで録音が開始される
そこでバンドはこの曲を
“Jerusalem” と呼ぶようになる

「曲はどんどん遅くなり、奇妙な感じになっていった。
俺達はトリップしながら
自分たちの演奏に疑問を抱き始めた。
この曲では覚えることがたくさんあり
オープンリールは22分しか録音できないので
曲を3つの異なるセクションに分解して
録音しなければならなかった。
本当にクールだったが、
人生で最も大変なことの一つだった」
マット・パイク

ハッパを運ぶキャラバンの歌詞という凄まじい内容で
再生して８分を過ぎてから
「ボングを手に人生から脱落し
煙を追いかけてリフに満ちた地へ」と歌が始まる

「大麻を吸った時の自分の状態に
本当に依存していて
歌詞の一部はそのことについて書いている
『ボングを手に人生から脱落する』という歌詞は
当時の自分の信条のようなものだった」
アル・シスネロス

当時所属していたLondon Recordsが
リリースを拒否
London Recordsからはプロモ盤のみ
発売前に海賊版が出回ってしまう

録音してから3年後の1999年にようやく
Rise Above Recordsからリリースしたが
97年にはバンドは解散していた

月日が経ち、曲の良さと
この曲にまつわる”伝説”
『レコーディングの前金をハッパにつぎ込んだ』

『アンプに7万5千ドル使った』
※金額は不明だがこの曲には
特注のGREEN Matamp GT120 MVアンプが使用され
非常に大きな音を出すように設計されていたため
バンドのメンバーはこのアンプが設置された
スタジオの部屋に入ることができない程だった
アンプからの音を拾うために
6本以上のマイクが使用された

『マスターテープをパイプと交換した』
(パイプと交換については
後にMatt Pikeが否定「やればよかったな(笑)」)

この”伝説”と
曲そのものの素晴らしさによって
徐々に名作だと知れ渡っていった

乾いた砂漠を思わせるロングトーンの
ノイズを纏ったコード鳴らされ
独特なリズムのドラムが入ってくるが
反復に次ぐ反復

微妙に表情を変えて行くが
ものすごーく尺の大きいリフ
(コードを鳴らしてるダケのように聴こえる程)
そのリフの合間を縫うように
それぞれのパートが動き
グルーヴに回転を加えていく

明らかに素面ではない煙たい酩酊感
時々入る野太いが落ち着いた咆哮ボーカル
スペースロック的響きの
ジャムの延長のギターソロ
地を這い回るようなベース

重いリフに移っても暗黒ではなく
ゆったりとした壮大なイメージ
宗教的と言うか神秘的と言うか
天に昇る様なパートもあり
厳かな感じがしてまさに教典