Butthole Surfers BUTTHOLE SURFERS EP(1983)

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BUTTHOLE SURFERSアルバムリスト

BUTTHOLE SURFERS(1981-)

バットホール・サーファーズ

Alternative Rock,Punk,Noise,
Experimental,Avantgarde,
Texas Psyche

BUTTHOLE SURFERS EP(1983)
[Brown Reason to Live]

  1. The Shah Sleeps In Lee Harvey’s Grave 2:09
  2. Hey 2:06
  3. Something 4:36
  4. Bar-B-Q Pope 3:36
  5. Wichita Cathedral 2:22
  6. Suicide 1:24
  7. The Revenge Of Anus Presley 2:25

12インチEP
Alternative Tentacles

Gibby Haynes(Vo:#2.#4.#5,Sax,Dr)
Paul Leary(G)
Bill Jolly(B)
Brad Perkins(Dr:#1.#7)
King Coffey(Dr:#4.#5)

パンク、サイケデリック、ニューウェーブ、
インダストリアル(実験的要素高め)、等を
思いつくままに混ぜていく
けど決して重くない

出せる限りのスピードと混沌から
ゆっくりと行われるケン・ケン・パ みたいな
不安定感とダラけた感じまでやってのける
正体不明っぷり

グッと凝縮されたかと思えば
空っぽの空間に
取り残されていたりするような音

ボーカルがまず型にはまらない
パンクらしいぶっきらぼうな歌唱から
カートゥーン調の発声から
力みの少ないシャウトでの奇声まで
思いつくままに声を使っている
ただデカイ声で喋っている時もある

フィードバック音のコントロールが巧みで
奇妙なんだけど癖になるノイズを生み出したり
懐かしくもキレのある音色のアルペジオと
カッティングを聴かせたり
ペラッペラっの軽さで浮かせたり
気持ちいい薄い歪みで鳴らされたり
絶妙なタイミングで
ギターを歌わせ泣かせ叫ばせる手腕
センスの塊

このEPのレコーディングが始まる直前に
オリジナルドラマーのScott Matthews
オリジナルべーシストのQuinn Matthews
マシューズ兄弟が脱退

Bill Jollyはバンドに加入したてながら
心地良い音で常にツボを押さえたベースを聴かせ
バンドの出す音に一本芯が通る
そしてこのバンドへの馴染み方がもうね
ストーンズに入った時のロン・ウッドみたい
(途中加入って意味でね
ブライアン・ジョーンズはもちろん最高
ビル・ワイマンもね)

パシャパシャと軽い音なんだけど
これもまた気持ち良いドラム
浮遊感を阻害しない響

ギビー・ヘインズのシンプルで
呪術的なサックス
特に[3.Something]がすごい効く

これほどの妖しい浮遊感を生み出しているのに
このアルバムに電子楽器は使われていない
人力、センスと
あらゆるパートにかける
リバーブ(残響音)の効き具合が異次元を演出している

80’s ハードコアパンクからはみ出し
地元で炸裂したテキサスサイケデリアの空気を
思いっきり吸った鬼才天才が
集まってお薬を服用しながらジャムを重ねた結果なのか
集まってお薬を服用しながら録音遊びをした結果なのか
あっちこっちに飛んでいきそうな要素が
見事に曲を形作っている

荒削りなんじゃなくて
これがこのアルバムを作る上で
バンドの目指した形なんだと思う
そもそも決まった形なんか目指してなくて
思いのまま天然でこうなったんじゃないかな
とも思う

33回転で再生されるLPサイズなんだけど
レコードのラベルに69回転と印刷されている

[逸話]

Dead KennedysT.S.O.L.
ロサンゼルスのWhisky a Go Goでの
コンサートの前座を務めたバットホールサーファーズ
デッドケネディーズのボーカリストにして
レーベル Alternative Tentaclesを運営している
ジェロ・ビアフラから
「自力でスタジオを借りて音源を完成させたら
Alternative Tentaclesがスタジオ代を払う」と言われ
やる気が出たバンドは
テキサス州サンアントニオにある
Bob O’Neill’s Sound Studio 通称BOSS(ボス)で
このアルバムを録音した

という話が
バットホールサーファーズ
最初のレコードリリースにまつわる”定説”と
されている

もちろん
ジェロ・ビアフラ
バットホールサーファーズのライブを見た
そしてその音にやられた
そうじゃなかったら
自らレコードリリースの
オファーはしないだろう

が、
この話にはまだ序章がある
バンドがカリフォルニアに出てくる前
1981年に
ヘインズリアリーが作ったあの雑誌
バットホールサーファーズ
アルバムリストのページにも書いたが
異常な病気の写真と
その病気に関する架空のふざけた説明を掲載した
手作りの雑誌いわゆる”ファンジン”[Strange V.D.]

パンクスはこの手のモノが好きだ
グレッグ・ギンがそうだったように
鬼才パスヘッドがそうだったように
インターネットが無い時代の
アンダーグラウンドの音楽シーンは
文通、テープトレード、フライヤー、ファンジン
という”手作りのモノ”で
情報を得て繋がっていった

それは検索してクリック一発でどうにかなる今とは
重みが違った
大切な宝物だった
(個人の作ったホームページが花開いた
“あの頃”の
ネットは最高だったけどね。
ホームページって書籍の様に
書いた人が死んでも
残り続けるモノだと思っていたけど
そうはならなかった。
大好きで寝る間も惜しんで
隅々まで何度も読んだページが
無くなってた時、結構凹むんだよね〜)

ジェロ・ビアフラという男も
もちろん、そういう男だ
たくさんの奇妙でイカレたファンジンを
収集し見てきた男だ

だから[Strange V.D.]を手に入れ
これが刺さった
「これまで見てきた中でも最も奇妙なファンジンだ

バットホールサーファーズジェロ・ビアフラ
繋がった
(って”兄ちゃん“が高校生だった俺に教えてくれた)

この人達凄え
(花の慶次、百万石の酒)

このEPのタイトルは
バンド公式のディスコグラフィーには
[BUTTHOLE SURFERS]と記載されているが
Alternative Tentaclesが販売している
12インチレコード盤は
[Brown Reason to Live]として売られていて
多くのファンはその名前で呼んでいる

2003年に[Live PCPPEP(1984年)]と
ボートラを4曲加えて再発された

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