BLACK FLAG / DAMAGED(1981)

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BLACK FLAG アルバムリスト

BLACK FLAG
(1976-1986,2003,
2013-2014,2019-)

ブラックフラッグ

Hardcore, Punk,

DAMAGED (1981)

  1. Rise Above 2:17
  2. Spray Paint The Walls 0:32
  3. Six Pack 2:18
  4. What I See 1:47
  5. T.V. Party 3:11
  6. Thirsty & Miserable 2:05
  7. Police Story 1:30
  8. Gimmie Gimmie Gimmie 1:50
  9. Depression 2:45
  10. Room 13 2:03
  11. Damaged II 3:23
  12. No More 2:23
  13. Padded Cell 1:50
  14. Life Of Pain 2:48
  15. Damaged I 3:50

1st
Unicorn Records
SST Records

Henry Rollins(Vo:S.O.A.,Rollins band)
Greg Ginn(G)
Dez Cadena(G:Misfits,Redd Kross)
Chuck Dukowski(B)
Robo(Dr:Misfits)

ワシントンD.Cのハードコアバンド
S.O.A.で活動していた
ヘンリー・ロリンズがボーカルとして加入
これがブラック・フラッグにそれまでとは
まったく違う雰囲気をもたらした

[ヘンリー・ロリンズが語った
ブラックフラッグに加入するまでの話]

ブラック・フラッグは私の大好きなバンドだった。
彼らが出していた数枚のレコードを常に聴いていた。
1981年の春に彼らに出会い、
彼らがワシントンD.C.の9:30クラブで
2セット演奏するために訪れた際、
短い滞在期間中ほとんど一緒に過ごした。

チャック・デュコウスキー
彼らの未発表曲のデモ・テープをくれたんだ。
毎朝、出勤前にそのテープを再生していた。
“ダメージ”“ポリス・ストーリー”“ノー・モア”
そして “ルイ・ロイ “のヴァージョンだ。
俺はそのテープが好きで、そして嫌いだった。
曲は素晴らしいし、
言葉も私の気持ちを代弁してくれている。
でも、俺が自身がブラックフラッグ
ボーカルになりたかったから、嫌いだったんだ!
デズのボーカルは素晴らしかった。
デズも良かったけど、でも…。

1981年の夏
ブラック・フラッグはニューヨークで演奏した。
俺の住んでいるD.C.地区でのライヴがなかったから、
ニューヨークまで見に行ったんだ。
早めに着いて、俺とグレッグチャック
午後のほとんどをぶらぶらしながら話した。
その夜、彼らは演奏したんだ。最高だった。
ショーの後、バンドは
街の反対側にある小さなアフターアワー・クラブで
タダで演奏したんだ。
もちろん、俺も一緒に行った。
6時間後には仕事に行かなければならないし、
ワシントンD.C.まで車で5時間かかる。

俺はステージに上がり、
「Clocked In」を演奏して
自分を送り出してくれるよう頼んだ。
デズ「これは『Clocked In』という曲なんだ。
ヘンリーのための曲だ、
彼はこれから仕事に行かねばならないからな」と言った。

バンドはこの曲を演奏し始めた。
俺はステージに上がり、マイクを持って、
デズと一緒に「Clocked In」を歌った。いい気分だった。
俺はクラブを出て家に帰った。

数日後、
アイスクリーム屋で仕事をしていると、
電話がかかってきた。デズからだ。
バンドが数日間休みを取ってニューヨークに来ていて、
一緒にジャムらないかと言ってきたんだ。
どういう意味かよくわからなかったが、
電車賃を払ってくれるっていうから、行ってみた。

翌朝、イースト・ヴィレッジにあるレストラン
「オデッサ」に集合した。
グレッグから、デズがギターを弾きたいというので、
ボーカルを探しているのだと聞かされた。
試しにやってみるか?
耳を疑った。

Mi Casaリハーサル・スタジオに行き、
セッティングをした。
俺は演奏する曲を伝えた。歌詞を知っている曲を。
俺は歌った。知らない単語は、ごまかした。
バンドとは2セットプレイした。
最後にみんなで顔を見合わせ
チャック“どうだ?”と聞いてきた
俺は “何が?”と答えた
チャックが言った“バンドに入るのか?入らないのか? “

今作で
Dez Cadenaはリズム・ギターを担当
(そもそもデズはギタリストだった)

Dez Cadenaがボーカルを担当した
[Damaged]のほぼ完全なバージョンが
Golden Age Studiosで録音されていた
(これは海賊盤で出回っている)

グレッグ・ギンが作ろうとした音

シンプルな3コードのパンクを超えて
その先というか”その奥”に進んでいく事

初期パンクにあった軽快さでは無く
メタルの重さ、破壊力を如何に使うかに
焦点を絞ったような
その硬質な上に速度のあるバンドサウンドに
ヘンリー・ロリンズの声は
ピッタリとハマった

怒涛の突進力の中に軋み空気を裂くように
混沌を撒き散らすギターソロ

とんでもなく独創的なのに
コーラスがパンク
一緒に叫びたくなる共感性
まぎれもないストリートの感覚を持っている音

アンダーグラウンドに落とされた黒い塊

超名盤

現代よりも新しいスタイルが受け入れられるのに
障壁があった時代
これ程の怪物には
どーしても外から邪魔が入る

メジャー・レーベルMCAから配給を受けていた、
地元のレーベルUnicorn Recordsと契約
バンドはUnicornのスタジオに入り録音

MCAはこのアルバムを嫌い、配給を取り下げた
MCAの社長アル・ベルガモはリリース前にアルバムを聴き
「親として、これは親に反抗するレコードだと感じた」として
すでにプレスされているアルバムの配給を拒否
(具体的に歌詞のどの部分が気に入らないのかは特定せず)

バンドはMCA社長の発言をステッカーにして
レコードプレス工場に行き
自らの手作業で
アルバム・ジャケットに貼り付けてMCAのロゴを隠した

実際のところUnicorn Recordsは債務超過状態で
MCAUnicornとの関係を断ち切る為に
このアルバムにイチャモンをつけたという

バンドはアルバムをSSTからリリースするが
それを契約違反だとしてUnicorn Recordsから
訴えられた

2年に渡る訴訟と法廷闘争に巻き込まれ
ブラック・フラッグ名義での
作品のリリースは禁止されてしまい
バンドとSSTレコードは危機的状況に陥る


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